会社(勤務先)から借りる【給料前借り・社内貸付制度】

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会社(勤務先)から借りる【給料前借り・社内貸付制度】

テレビドラマやマンガの世界では、会社からお金を前借りするシーンが描かれている事がありますが、実際に給料の前借りした事があるという方は少ないのではないでしょうか?

どうしてもお金に困った!そんな時、勤務先の会社から借りる事はできるのでしょうか?覚えておきたい「給料の前借り」と「社内貸付制度」についてまとめましたので利用を検討している方は参考にしてみてください。

※本ページでは、給料の支払期日より前に、働いた分を支払ってもらう「給料の前払い」のことを「給料の前借り」と表現しております。

会社から給料の前借りをすることは可能?

求人広告には時折、「前払いOK」と記載されている事もありますが、一体どのような企業なら前借りを利用する事ができるのでしょうか?そして、給料の前借りは、誰でも利用できるものなのでしょうか?条件などをまとめました。

前借りができる会社とは?条件について

前借りが可能な会社は、ごく限られた一部のようなイメージもありますが、実はどの企業でも給料の前払いを請求することができます。

労働基準法の第25条では、”非常時払いとして労働者が賃金の請求をした場合には、給料日の支払い期日前であっても既に行われた労働に対する賃金の支払いを行わなければいけない“と定めています。

つまり、従業員の方が会社側に前借りをしたいと希望した場合には、規定に基づきお金を支払う義務があるのです。

参照:労働基準法第25条(非常時払)について-厚生労働省-

非常時の規定

会社での給料の前借りの利用が可能となるのは、労働基準法施行規則9条にて掲げられています。

労働者またはその収入によって生計を維持する者が、結婚、出産、病気、災害、死亡した場合。また、やむを得ない理由により1週間に渡って帰郷する場合“を非常時としています。

どんな時でもお金を前借りできるという訳ではなく、正当な理由が必要となるので、ギャンブルや飲み会で金欠に陥ってしまった等の理由では、基本的にお金を前借りする事ができません。

参照:労働基準法施行規則

給料の前借りが可能な対象者

会社での前借りは、正社員だけではくパートやアルバイトなど、雇用状態に関わらず利用することができます。ただし、従業員が同居している親族のみの会社、家事使用人、公務員、船員の方は、非常時の規定対象外となります。

前借りできる金額はどれくらい?

会社で前借りできる金額は、”すでに働いた分の給料”になるため、働いていない分の給料を先にもらう事はできません。

前借りを利用した時の利息や手数料は?

前借りは、あくまでも自分が働いた分の給料を前倒しして受け取るものなので、借金とは異なります。そのため、利息や手数料は掛かりません。

ただし、給料日には前借りした分のお金が差し引かれてしまうので、かえって生活が苦しくなる事のないように注意が必要です。

会社から給料の前借りをする方法は?利用する流れ

会社から給料の前借りをする方法は?利用する流れ
勤務先の会社で給料の前借りをお願いしたい時、誰にどのように申し出れば良いのでしょうか?前借りの基本的な流れや利用する時のポイントをまとめました。

誰に相談すれば良い?前借りをお願いする相手

前借りをお願いしたい時は、まず信頼できる上司に相談しましょう。会社の規模によっても対応が異なり、小さい会社なら直接社長に交渉する事も可能ですが、ある程度大きな会社になれば、総務課や経理担当者の方と話をしなければいけません。

1人判断では難しくなるので、直属の上司などから話をした方がスムーズです。派遣会社の場合は、給料を支払う派遣元に頼まなければいけないので、まず派遣会社の方に相談をしてみてください。

前借りの申請書の提出と確認事項

前借りの希望を会社側に伝えた後は、上司の指示に従って「前借り申請書」など、書類の提出を行います。

前借り申請書では、「前借りの金額、申請目的、日付」などを記載します。申請書があれば、金銭トラブルをきちんと防ぐ事ができます。

もしも、会社側で申請書の用意がない場合は、自ら用意しておいた方が安心です。10日分の給料を前借りしたとしても、11日分の給料が差し引かれていたといった場合に、書類を残しておく事で万が一のトラブルにも対応できます。

会社から給料の前借りをするデメリット

勤務先の会社から給料の前借りをする際は、デメリットも大きいため、よく考えてから利用するようにしましょう。

前借りだと即日でお金を用意するのが難しい。対応策は?

労働基準法では、従業員の非常時に働いた分の賃金を先渡しする義務があります。しかし、”いつまでに支払わなければいけない”という明確な日時は規定されていません。

会社によっても異なりますが、多くの会社では、すぐに対応する事ができないと考えておきましょう。

前借りを希望しても、即日お金を受け取る事は難しいので、あてにし過ぎないように気を付けてください。

前借りだけではない!会社からお金を借りられる社内貸付制度

前借りだけではない!会社からお金を借りられる社内貸付制度

まとまったお金が必要となる緊急時には、「社内貸付制度」にて会社からお金を借りる事ができます。前借りと社内貸付制度の違いや、社内貸付制度でお金を借りる為の条件などをまとめました。

前借りとの違いは?社内貸付制度

社内貸付制度は、社員貸付制度、従業員貸付制度と呼び名は異なるものの会社からお金を借りる事ができる制度です。どの企業にも存在する制度ではありませんが、会社の福利厚生に「貸付制度」があれば、お金を借りる事が可能です。

自分が働いた分のお金である「前借り」とは異なり、会社側にお金を借りる借金となるので、貸付制度でお金を借りた際には返済が必要、利息を支払う必要がある事が大きな違いです。

社内貸付制度でいくらお金借りられる?限度額の目安

社内貸付制度で借りられるお金は、会社の規模、勤続年数、必要な金額などによって決められるため、一概にいくらとは決まっていません。

金額の上限は、会社ごとに異なりますが、用途目的の違いによっても幅に開きがあります。例えば、冠婚葬祭や病気など緊急時のみの貸付条件であれば、上限の金額は比較的低く設定されているため、10~50万円程度です。車や住宅も用途に含まれている場合は、100万円以上の高額な上限に設定されています。

社内貸付制度の金利手数料は?利息負担

社内貸付制度では、金利手数料が低く設定されている事が多いです。また、災害など緊急を要する非常時には、利息負担0になる事もあるので、アコムやプロミスなどの消費者金融や銀行カードローンでお金を借りるよりもお得です。

参照:No.2606 金銭を貸し付けたとき-国税庁-

社内貸付制度でお金を借りられる人は?条件・借入方法

社内貸付制度は、誰でも利用してお金を借りることができるのでしょうか?条件や借り入れ方法についてまとめました。

アルバイト・パートは社内貸付制度でお金借りられる?

社内貸付制度でお金を借りられるのは、基本的に「正社員」のみです。アルバイト、パートなど、非正規雇用者は社内貸付制度を利用してお金を借りられない場合がほとんどです。

また、正社員であっても勤続年数が短い方は社内貸付制度でお金を借りられない事もあります。1年以上、5年以上など、会社ごとに借り入れできる条件は異なりますが、一定の勤続年数が必要と考えておきましょう。

お金の使い道は?社内貸付制度でお金を借りる場合の資金使途

社内貸付制度で借りたお金は、何でも使えるという訳ではありません。病気、災害など、緊急を要するものに加え、結婚、出産、教育、住宅、車なども含まれる事もありますが、会社ごとに規定が変わるので、目的に合わせた借入が出来るのか利用前に必ずチェックしておくようにしましょう。

貸付制度でお金を借りるためには、用途目的の申告等が必要となるため、ギャンブルや借金の返済で利用することができません。見積書など、用途を証明するための書類の提出など、必要なこともあるので虚偽の申告をしないようにしてください。

社内貸付制度の申請方法は?手続き・借入・返済方法

社内貸付制度でお金を借りる際には、上司や総務課などに相談をして申請に必要な書類を受け取ります。

申込み書類に必要事項を記入し、提出後に社内審査が行われます。審査には、早ければ1週間、通常2~3週間ほど時間を要します。

申込み後すぐに即日でお金を借りる事ができる訳ではないので、急ぎでお金が必要な方は注意してください。審査に通過した後は、「給与振込口座」など、指定口座にお金が振り込まれます。

社内貸付制度で必要となる書類は?

社内貸付制度での借り入れが認められた際には、「金銭借用証書」を提出することになっています。借入する金額、用途に加え、連帯保証人を記入します。給料や退職金を担保にする事で、保証人なしでお金を借りられるケースもありますが、基本的には保証人が必要になります。

参照:会社と社員の間で作成される借入申込書、金銭借用証書

社内貸付制度で借りたお金の返し方は?返済方法

社内貸付制度で借りたお金は、基本的に給料またはボーナスから天引きされるため、貸金業者にお金を借りた場合と違って、わざわざ返済のために銀行やコンビニ等に足を運ぶ必要はありません。返済期限や返済額は、借入額によっても異なるので、貸付の規定をよく確認するようにしましょう。

トラブルを防ぐためのチェックポイント

社内貸付制度は、会社ごとに規定が異なるので、必ず借り入れする際にはトラブルを避けるためにも正しい情報を把握しておくようにしましょう。

・借入の条件
・金額
・利息
・返済日、返済方法

最低限の確認事項を怠らず、納得した段階で利用するようにしてください。

給料の前借りに関するFAQ

給料の前借りをしたい!上手な言い方・理由は?

労働基準法で、使用者は、出産、疾病、災害、その他厚生労働省令で定める非常の場合、給料日以前でも、賃金を支払わなければならないと定められています。(参考URL

ですので、出産や病気、災害などの理由でお金が必要になった場合は、言い方・理由とか考えずに給料の前借りを請求することができます。

しかし、普段の生活費や、遊ぶお金が欲しいからと言って、会社に前借りを請求することは基本的にできません。

もしかしたら、労働基準法とか関係なく、雇用主側が善意で給料の前借りに応じてくれる可能性がありますが、その場合は言い方(頼み方)が大切になってくると思います。

給料の前借りができる制度があるって本当?

制度というわけではないのですが、労働基準法の第25条で、出産、病気、災害などでお金が必要になったときに、使用者は給与の支払期日前でも、すでに行われた労働に対する賃金を支払わなければならないと決められています。

ただ、給料の前借りではなく、「社内貸付制度(従業員貸付制度)」を導入している会社なら労働基準法の第25条とは関係なくお金を借りることができます。

しかし、社内貸付制度の場合、会社の規模や勤続年数、雇用形態などによって借りられる額が違ってきますし、金利も支払う必要があります。また資金使途(使い道の指定)も会社によって違ってきますので、詳細は現在勤めている会社に問い合わせしてみてください。

アルバイト・パートでも給料の前借りは可能ですか?

労働基準法の第25条で定められている給料の前借りはアルバイト・パートでも雇用形態に関係なく利用することができます。
ただし、各会社(各勤務先)で導入している「社内貸付制度(従業員貸付制度)」に関しては、各々ルールが違ってきますので、アルバイトやパートなど非正規雇用の場合は、利用できない可能性があります。


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